睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome:SAS)とは、睡眠中に呼吸が頻回に止まる病気で、最近大きな注目を集めています。
睡眠中に、この無呼吸(無呼吸は10秒以上の呼吸が停止する状態)と低呼吸(呼吸が小さく酵素が取り組みにくい)が1時間あたり
5回以上認められるとSASと診断されます。大きなイビキもこの病気の症状のひとつです。
SASの患者さんは、一晩中、睡眠-無呼吸-覚醒-睡眠のサイクルを繰り返し、そのため質の良い睡眠をほとんどとることができま
せん。ほとんど眠れないために起きる強い眠気は、社会活動を制限するだけでなく、交通事故率を高めるなど社会生活に大きな影
響があります。 この病気は、肥満のひとだけでなく、小あごのやせた人にも多くみられます。
むずむず脚症候群は、座っているか横になっているときに、主に太ももからふくらはぎ、足首などに、じっとしていられない不快感が
生じるものです。この症状は、歩いている時には軽くなるか消えますが、安静状態になるとまた悪化します。そのために、不眠の原
因になります。この病気は、日本人の2-3%にみられ、女性が男性の1.5倍です。高齢者だけでなく、若い人や子供にもみられます。
ナルコレプシーは、昼間の耐え難い眠気と、情動脱力発作、睡眠麻痺、入眠時幻覚が特徴の代表的過眠症です。
・情動脱力発作:びっくりしたり、感激したり、笑ったりしたときに意識はあるのに筋肉の力が抜けてしまう発作
・ 睡眠麻痺:一般に”金縛”りといわれる現象で、目は覚めているのに体が動かせない状態
・入眠時幻覚:寝入りばなの夢で、現実と区別がつきにくいためこうよばれる
レム睡眠行動障害の患者さんは、夢を見ている時に筋肉の緊張がなくならず夢を見ているままに行動してしまいます。
夢の内容によっては、叫び声をあげる、壁を叩く、物を投げるなどの行動があります。時には、歩き回って階段から転落
したり、隣に寝ていた奥さんに暴力をふるう、などといった大事に至るケースもあります。この病気は、高齢者の男性に
多くみられます。
極端な宵っ張りの朝寝坊、という特徴を持った睡眠障害です
。この病気は眠る時間と目覚める時間とがずれているために
起こります。そのため、いくら早く寝ようとしてもなかなか寝付けず、いったん寝付くと普通に眠れるため、朝になっても起きら
れないということになります。その結果、不登校、欠勤に至ることが多くみられ、うつ病の引き金になることもあります。体内時
計のリズムが壊れたために起こると考えられ、1000人に2~4人がこの病気にかかっています。